座る質を高めたい人

座る質を高めたい人はどのくらいいるであろうか。私は、フェルデンクライス・メソッドに出会う前は座る質が良くなるということがはっきりわかっていなかったと思う。今振り返ると、クリニックで働いていた頃、背もたれのない丸型のタイヤ付き椅子に座って午前中施術した後に、昼休憩に庭で仰向けになるととても背中が心地よかったのを思い出す。仰向けになるまで、自分に溜まっていた疲労に気づいていなかったいい例である。動きの博物館では正しい座り方というものは伝えない。座り方は人によりさまざまだ。世の中には、矯正という言葉が満盈している。『背筋を伸ばして、お腹に力を入れて』など。時間が経つと疲れて元の姿勢に戻ったり、腰を痛めたりする可能性すらある。また、坐骨で座れる椅子のようなアイテムもある。坐骨には右も左もあり、座るという観点から座面と接することができる坐骨の部分は数cmある。人によって坐骨の上に積み上がっている背骨の連なりも様々だ。一人一人、自分なりの座り方があっていいと思う。動きの博物館では、身体を整えた結果楽に座れることを目指します